「伽羅(きゃら)」と書いて「めいぼく」と読みます。
「先代(せんだい)」は、宮城県の仙台の当て字。
「萩(はぎ)」は、仙台市の市の花です。
この物語は、伊達家お家騒動のお話です。当て字を使っているのは、芝居に実際の地名を使ってはダメだったからだと言われています。
登場するのは、幼くして当主となった「若君 鶴喜代(わかぎみ つるきよ)」。
乳母である「政岡(まさおか)」は、反乱派による若君毒殺を恐れています。
政岡の子供である「千松(せんまつ)」が若君のお付きとして一緒にいます。
舞台の場所は「御殿(ごてん)」です。
政岡は、若君が暗殺されないように、若君は病気だから人を近寄らせないようにといいます。特に男性は、若君が怖がるからといって近寄せません。
「彈正妹の八汐(やしお)」と「左京妻 沖の井(おきのい)」と「右京妻 松島(まつしま)」が見舞いにきます。食べ物を出されますが、政岡の言いつけ通り、若君はいらないと言います。八汐は、暗殺者を仕込んで政岡を陥れようとしますが失敗に終わります。
次の場面では、政岡は茶道具でご飯を炊きます。
だから、少ししか食べ物がないので、若君も千松もおなかがすいています。
そこへまた敵が現れて政岡を襲います。
八汐は、次に「山名室 栄御前」を連れてきます。栄御前は、若君に毒入りのお菓子を持ってきます。栄御前は幕府の人間の妻なので逆らえません。
そこで、千松が行儀の悪いふりをして若君の代わりにお菓子を食べて若君を守るのです・・。
八汐は、千松が毒で死んだことを隠すため、栄御前からの若君へのお菓子を食べた罪として、お手打ちにし、刺し殺します。
そこで、政岡。自分の息子(千松)が死んでしまったのですが、顔には出せずにいると、栄御前は「政岡がショックを受けないのは、きっと、すでに若君と千松をすり替えていて、今死んだのは若君だったからだろう!政岡も裏切り者だったんだ。自分の仲間じゃないか!」と考えて、政岡に反乱派の連判状を渡します。
しかし、この連判状。
突然現れたネズミに「床下(ゆかした)」に持って行かれてしまいます!
ネズミを足で押さえつけたのは、若君を床下から守っていた「男の助(おとこのすけ)」。ネズミを鉄扇で叩こうとするも、ネズミは逃げます。
逃げたネズミは・・・なんと!妖術使い仁木彈正(にっきだんじょう)
仁木彈正は、連判状を持って悠々と雲を上を歩いて逃げます。
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